インフルエンサーが意味ない時代に、それでも売れる人は何をしているのか?

インフルエンサーが意味ない時代に、それでも売れる人は何をしているのか?

インフルエンサーに頼っても売れないのはなぜか。注目がお金に変わらない構造と、フォロワーが少なくても選ばれる人の信頼の作り方、代わりになる5つの施策、今日からできる最初の一手をまとめました。

もしあなたが、こんな感覚を持っているなら。

インフルエンサーに紹介してもらったのに、思ったほど注文が来なかった、、、とか。自分でフォロワーを増やそうと毎日投稿してきたけど、数字が伸びるわりに売上は変わらない、、、とか。そもそも、あのやり方って本当に効くのかな、と疑い始めている。

そういう感覚があるなら、この記事は役に立つと思います。

以前、「インフルエンサーはいらない。仕事を取るのに向かない3つの理由」という記事を書きました。有名になることと、仕事が取れることは別物ですよ、という話です。

ただ、書いたあとにずっと引っかかっていたことがあるんです。

「じゃあ、代わりに何をすればいいの?」

ここに、ちゃんと答えていなかった。なので今回は、その続きを書きます。

「インフルエンサー意味ない」と感じるとき、何に失望しているのか?

まず、前提を揃えさせてください。

この言葉が頭に浮かぶ人は、たぶん2種類います。

1つは、インフルエンサーに依頼してみた人。投稿はしてもらえた。いいねもついた。でも、注文にはつながらなかった。「え、これで終わり?」となった人です。

もう1つは、自分がインフルエンサーになろうとして、途中で疲れた人。毎日投稿して、動画も作って、フォロワーも少しずつ増えた。でも、問い合わせは増えない。あれ? と思った人です。

どちらも、失望している対象は同じだと思うんです。

「注目を集めれば、お金になる」という等式が、成り立たなかったこと。

これです。

注目とお金のあいだには、本当はいくつもの段階があります。知ってもらう。興味を持ってもらう。信じてもらう。比べてもらう。そして、やっと選んでもらう。

インフルエンサー施策が触れているのは、このうち最初の「知ってもらう」だけなんですよね。

なのに私たちは、知ってもらえれば残りは勝手に進むと思い込んでしまう。ここに、失望の正体があると思っています。

これ、チラシを大量に配ったのに、お店に誰も来なかったという話とまったく同じ構図じゃないでしょうか。配った枚数は増えた。でも、チラシの中身と、その後の接客が設計されていなかった。媒体が紙からSNSに変わっただけなんです。

インフルエンサーに頼ったときに、起きやすい3つの落とし穴

では、何がうまくいかないのか。構造として起きやすいことを3つ挙げます。

1つ目は、フォロワーとお客さんがズレていること。

インフルエンサーのフォロワーは、その人が好きで集まっています。あなたの商品が欲しくて集まっているわけではありません。

たとえば、暮らしを丁寧に発信している人がいたとします。フォロワーは、その人の暮らしぶりを見たくてフォローしている。そこに法人向けのサービスが紹介されても、反応する人はほとんどいないですよね。そもそも、属性が違うんです。

でもこれ、依頼する前は気づきにくい。フォロワー数という大きな数字だけが目に入ってしまうので。

2つ目は、資産が自分の側に残らないこと。

これが一番大きいと思っています。

投稿してもらって、仮にアクセスが来たとします。そのアクセスは、インフルエンサーのアカウントを経由して流れてきたものです。契約が終われば、蛇口は閉まります。

次の月も売上が欲しければ、またお金を払うしかない。これは広告を出すのと同じ構造です。資産ではなく、消費なんですよね。

3つ目は、値段が下に引っ張られること。

知ってもらうことだけで売ろうとすると、決め手が「安さ」になりがちです。信頼が積み上がっていない相手に買ってもらうには、リスクを下げるしかないからです。だから割引をつける。初回だけ安くする。

そうやって来てくれたお客さんは、値段で来た人なので、値段で去っていきます。

仮に、本来3万円で売れる商品を、知ってもらうために1万円に下げたとしましょう。買ってくれる人が3人から9人に増えても、売上は同じです。しかも、対応する手間は増えている。これだと、やればやるほど苦しくなります。

フォロワーが少なくても選ばれる人は、信頼を「深さ」で作っている

私はここで「あれ?」と思うんです。

フォロワーが多くないのに、ちゃんと仕事が埋まっている人がいます。一方で、フォロワーがたくさんいても、商品が売れていない人もいる。

何が違うのか。

信頼の作り方が、「広さ」ではなく「深さ」で設計されている。

これだと思っています。

もう少し言うと、フォロワー数は「何人があなたを知っているか」の数字です。でも、売上に効くのは「何人があなたに相談したいと思っているか」なんですよね。

この2つは、まったく別の数字です。

知っている、と、相談したい、のあいだには大きな溝があります。この溝を埋めるのは、露出の量ではありません。

溝を埋めるのは、「この人は、私の状況を分かっている」という実感です。

町の税理士さんを想像してみてください。SNSのフォロワーはいないかもしれない。でも、地元の社長さんから次々と紹介が来る。なぜかというと、その人たちの事情を分かっていて、具体的な話ができるからです。

拡散はしていない。でも、選ばれている。

私たちがやるべきなのは、この構造をオンラインで作ることです。有名になることではありません。

インフルエンサーの代わりになる5つの施策

では、具体的に何をするか。手を動かせるものを5つ挙げます。

その1。検索から読まれる記事を書く。

あなたのお客さんが、困ったときに検索する言葉を書き出します。そして、それに正面から答える記事を書く。

SNSの投稿は流れていきますが、検索から読まれる記事は残ります。半年前に書いたものが、今日も誰かに読まれる。これは資産です。

コツは、悩みの言葉で書くこと。商品名ではなく、お客さんが実際に口にする表現で書きます。

その2。すでに買ってくれた人に話を聞く。

地味ですが、いちばん確実だと思っています。

「なぜ買おうと思ったんですか」「ほかに何と比べましたか」と聞く。ここで出てくる言葉が、そのまま次のセールスコピーになります。

私たちは、自分の商品の良さを自分の言葉で説明しようとしすぎます。でも、次のお客さんに届くのは、買った人の言葉のほうなんですよね。

その3。同じお客さんを持っている人と組む。

インフルエンサーがダメなのではなく、選び方の問題です。

フォロワー数ではなく、「同じお客さんを抱えている人」と組む。たとえば、あなたが中小企業の経営者向けのサービスをしているなら、同じ経営者に向けて発信している人と組む。ジャンルは違っていていいんです。お客さんが同じであれば。

対談でもいいし、相互紹介でもいい。人数の大きさより、相手のお客さんとの近さが大事です。

その4。小さくても具体的な配布物を作る。

チェックリスト、質問集、判断基準の一覧。印刷して5分で使えるもの。

これがあると、初めて会う人にも「この人は現場を分かっている」と伝わります。長い動画よりも、A4一枚のほうが信頼は早く届くことが多いと思っています。

その5。一対一のやり取りを増やす。

問い合わせへの返信、コメントへの返信、メールでのやり取り。

効率が悪いからと避けられがちですが、はじめのうちは、ここがいちばん効きます。大勢に一度届けるより、少ない人と深く話したほうが、売上には近いんです。

今日からできる最初の一手は、リストを育てること

5つ挙げましたが、1つだけ選ぶなら、私は迷わず「リスト」と言います。

リストというのは、あなたが直接連絡を取れる人の集まりのことです。メールアドレスでも、LINEでも、構造は同じです。

なぜいちばん大事か。理由は3つあります。

1つ目。プラットフォームの都合に左右されません。

SNSは、運営側の判断で表示が変わります。昨日まで届いていた人に、今日は届かない。これは、こちらではどうにもできません。

メールは、送れば届きます。この差は、時間が経つほど効いてきます。

2つ目。関係が積み上がります。

同じ人に、何度も声をかけられる。1回目では動かなかった人が、何度目かで「そろそろお願いしようかな」となる。

インフルエンサー施策は、基本的に一発勝負です。投稿が流れたら終わり。積み上がりません。

3つ目。反応が見えます。

開かれたか。クリックされたか。どの話題に反応があったか。

これが分かると、お客さんが何に困っているかの解像度が上がります。次に書く記事も、次に作る商品も、ここから決められる。リストは売る場所であると同時に、お客さんを知る場所なんですよね。

最初は、10人でいいと思います。

知り合いでもいい。過去のお客さんでもいい。その10人に、毎週1通、役に立つ話を送る。これを続ける。

地味です。派手さはまったくありません。でも、半年後に効いてくるのは、こっちだと思っています。

まとめ:拡散力より先に「選ばれる力」を作る

拡散力と、選ばれる力。

この2つは、別々の力です。そして、順番があります。

選ばれる力がないまま拡散力を手に入れても、たくさんの人に「別にいいかな」と思われるだけなんです。むしろ、せっかくの機会を使い切ってしまう。

逆に、選ばれる力が先にあれば、拡散はあとから乗せられます。10人に確実に選ばれる状態を作ってから、それを広げていく。この順番なら、広げた分だけ売上につながります。

インフルエンサーが意味ないのではありません。順番を間違えると意味がなくなる、ということだと思っています。

では、明日から何をするか。3つだけ書きます。

まず、過去に買ってくれたお客さんを3人選んで、連絡を取ってください。「なぜ買おうと思ったか」を聞く。これだけで、あなたの商品が本当は何を解決しているのかが見えてきます。

次に、その答えに出てきた言葉をメモして、それをタイトルにした記事を1本書いてください。長くなくていい。お客さんが実際に使った言葉で書くことが大事です。

最後に、連絡先を集める場所を1つ作ってください。フォームでも、メールで返信をもらう形でも構いません。今日は0人でいいんです。器がないと、水は溜まりませんから。

フォロワーが増えるかどうかは、正直、私たちにはコントロールできません。

ただ、目の前の1人に選ばれる理由を作ることは、今日からできることなんです。

西埜巧祐

西埜巧祐

マーケティングコンサルタント/セールスコピーライター

西埜巧祐(にしのこうすけ、埼玉県出身、法政大学理工学部卒)は、日本のダイレクトレスポンスマーケティング/セールスコピーライティング/AIを活用したマーケティング・セールス・ビジネス成長の専門家。株式会社Earnestness 代表取締役。セールスライターとして約10年にわたって活動し、1,000人以上に指導。Dan Kennedy 著『売るプレゼン』監訳。著書に『AIライティングの教科書』『AI化の教科書』がある。

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