10年で学んだ10のこと

10年で学んだ10のこと

過去最高の売上や集客数を実現してきたマーケティングやセールスコピー。そしてビジネス・経営について...。私がコレまで10年間を通して学んできたことをまとめました。

この記事を読んでいる方は、たぶん「西埜ってどんな人なんだろう」と思ってくださっているんだと思います。どんなキャリアで、何ができて、何を知っている人間なのか。

まず、興味を持っていただいてありがとうございます。

この記事は、私がこれまでどんな歩みをしてきたのかと、そこから何を学んだのかをまとめたものです。正直、長いです。全部読まなくても大丈夫です。

ただ、私のコンテンツに興味を持ってくださったのであれば、こういう人生を歩んできた人間なんだな、というのが分かると思います。そして、そこで学んできたことは、おそらくあなたにとっても参考になるはずです。時間があるときに、ゆっくり読み進めてもらえたら嬉しいです。

なお、ここで言う「10年」は、マーケティングとセールスコピーのキャリアをスタートしてからの10年です。会社経営まで含めればもっと長くなるのですが、この記事はその10年で学んだことに絞って書いています。


私について

  • 株式会社Earnestness 代表
  • ダイレクトレスポンスのコピーライター/AIマーケティングコンサルタント
  • これまで直接お手伝いしてきたクライアントは1,000人以上
  • AI実践会を運営。コンサルタントや事業者にAIエージェントの実装を教えている
  • YouTube、Podcast、メルマガでAIとマーケティングについて発信中

01. 最強の資産

私のキャリアのスタートを語るうえで欠かせないのが、ロバート・キヨサキさんの『金持ち父さん 貧乏父さん』です。

高校の図書室で、たまたまこの本と出会いました。

当時の私は推理小説にどっぷりハマっていました。『Xの悲劇』『Yの悲劇』『Zの悲劇』、シャーロック・ホームズ。いまでも東野圭吾さんの作品をはじめ、ミステリーは大好きです。

そんな本ばかり読んでいた中で、なぜかあの一冊が目に留まったんです。

読んでみて、大きな影響を受けました。当時の受け取り方はかなり浅くて、「うちの父さんは貧乏父さんだ」「金持ちになるには起業しなければいけないんだ」という程度のものです。でも、その浅さが良かったと思っています。

その本の中に、印象に残った一節がありました。

誰でもマクドナルドより美味しいハンバーガーを作ることはできる。でも、マクドナルドほどビジネスとして成功させられる人はほとんどいない。石鹸も同じで、作ること自体は誰にでもできるけれど、それを世界中で売れる商品にできる人はほとんどいない。

要するに、売り方が大事

ここで私は、マーケティングとセールスの重要性に気づきました。

それ以来、ビジネスをやるならアイデアよりも売ることだ、マーケティングだ、と考えるようになりました。そして、そのスキルを求めるようになったんです。

『金持ち父さん 貧乏父さん』の世界では、資産が収入を生み出す、という話をしています。

私はその資産として、マーケティングのスキルを選びました。

このスキルによって、本当にいろんなことを成し遂げてきたと思っています。講演をすること、有名な方と仕事をすること、自分のビジネスを立ち上げること。そして、自社の売上も、クライアントさんの売上も、このスキルで伸ばしてきました。

もうひとつ、お伝えしたいことがあります。

では、ビジネスにおける資産は何なのか。

結論から言えば、顧客リストです。

これは世界的なコンサルタントであるダン・ケネディが言っていることです。財務諸表には載らないけれど、顧客リストこそが最も重要な資産である、と。

私もまったく同じ意見です。顧客リストがあるから商品を売って売上を伸ばせる。逆に、リストがない状態で売上を伸ばしていくのは、ほとんど不可能です。

ここまでをまとめます。

個人にフォーカスするなら、資産はスキルです。私の場合はマーケティングというスキルが資産になり、そこから収入も売上も集客も生まれてきました。

これを会社に置き換えると、資産は顧客リストになります。

スキルが上がれば上がるほど、売上も集客も成果も大きくなる。顧客リストが増えれば増えるほど、売上は上がっていく。ちなみにこれは、ジェイ・エイブラハムの「売上を上げる3つの公式」──客数、単価、購入頻度──のうちの客数に当たります。

だからフォーカスすべきは、どちらも資産を増やすことです。

個人であればスキルを伸ばすこと。企業であれば、事業の売上を支えてくれる顧客リストを増やすこと。ここに集中すべきなんです。


02. 企画・コンセプトが9割

私のキャリアは、マーケティングとセールスコピーライティングを外しては話せません。この2つのスキルが、いまの会社も、実績も、全部作ってくれました。正直、ここだけで話せることは山ほどあります。ただ今回は自己紹介も兼ねているので、ポイントだけお話しします。

振り返ってみると、いろんな形で売上を伸ばしてきました。昔で言えば、たった1枚のLPで7年間売り続けたこともあります。その商品にとって過去最高の売上を記録したプロモーションを手掛けたこともありました。いまはそのスキルを人に教える側に回っていますが、クライアントさんの中には、過去最高の売上や過去最高の集客を達成している方が何人もいらっしゃいます。

では結局、何がポイントなんですかと聞かれたら、

答えは企画です。ここが9割

商品が悪いから売れなかった、ということは基本的にありません。売り方が悪いから売れなかった。だいたいこれに尽きます。

マーケティングには専門用語がたくさんありますし、戦略的な要素も山ほどあります。ただ、それを全部ひっくるめて「企画」と呼ぶなら、売上を動かしているのは企画です。

分かりやすい例をひとつ。昔、広告の講座を売っていました。最初は「集客ができるようになります」という見せ方で売っていたんです。悪くはなかった。でも、いちばん売れたのはその切り口ではありませんでした。「これで継続収入が手に入ります」という見せ方に変えたとき、売れ方が明らかに変わったんです。

企画の方程式【誰×何×提案=企画・売り方】

簡易的な方程式です。本来は、もっと奥深いのですが、この3つの方程式だけでも強力です。具体的にお話ししていきましょう。

誰に対して売るか

多くの場合、会社の商品を買っているのは色々な人がいます。例えば私の事業でも、「経営者」「フリーランス」「コレから起業したい人」。さらには「今勤めている会社で役立てたい」という人が買っています。違う例で言えば、スポーツジムでもそうです。例えば、男性・女性という分け方もあります。さらにいうと、男性の中でも「運動不足の解消のため」「筋肉をつけたいため」「モテたいため」と、色々な人がいます。

売り方を考える時に、このような多くの人の中で「この人」という1人を決めること(一般的に「ペルソナを決める」と言います)です。この誰に対して売るかだけでも、かなりの数の企画を考えることができます。

何を訴求するか

2つの軸で考えると、わかりやすいです。1つはベネフィット。「この商品を買ったら、こんな良いことがありますよ」というものです。2つ目は「問題解決」です。「あなたの悩みを解決するのは、コレ」というものです。

ポジティブを訴求するか、ネガティブを訴求するか、どちらかに絞ることです。先ほどの「誰に対して売るか」で考えてみましょう。1人の「ポジティブ」「ネガティブ」だけでも、企画がさらに増えますよね。

提案はどうするか

これは取引条件のことを指します。よく見る例で言うならば「1ヶ月無料お試しキャンペーン!」「〜%オフキャンペーン」などを指します。価格の割引、あるいは特典、返金保証など、提案を変えることです。この提案は、専門用語で「オファー」と呼びます。この提案・オファーは、かなり重要な要素としても知られています。

例えばですが、「もしご満足いただけなかったら、いただいたお金を2倍にして返金します」と言う提案が出たら、どうでしょうか?先ほどの「誰に、何を」と言う2つの軸を吹っ飛ばすくらいの、強いアピールになりますよね。

極端な例ですが、その提案があった場合、お客さんは「それだけ自信がある(良い商品な)のか」と思います。

10年で学んだヒットを生み出す視点

売れないのは大抵、商品が悪いのではなく、売り方が悪いです。

同じ商品でも、売れる売り方を複数持っていれば、売上はもっと伸びます。これは知識としては知られている話なのに、実際にできる人はほとんどいません。私はとにかく企画を数多く考えてきたので、そこが自分の武器になりました。

だから、いま売れていなくても、それは終わりではないんですよ。あなたの商品でも、クライアントさんの商品でも同じです。売り方を変えれば、結果は変わります。


03. Less is more

「少ないことは、より多い」という意味です。

ビジネスをしていたり、勉強していたりすると、どうしてもあれもこれもやってみたくなります。でも実際には、何をやるかより「何をやらないか」を決めたほうが、結果的に多くのものが手に入ります。

これを学んだきっかけは、2つありました。

ひとつは、キャリアの初期です。世界ナンバーワンマーケターと呼ばれるジェイ・エイブラハムのパートナーに、スパイク・ヒューマーという方がいます。その方の講義を受ける機会がありました。面白い話をたくさん聞かせていただいたのですが、いちばん印象に残っているのはこれです。

To Doリストではなく、Not To Doリストを作りなさい。つまり、やらないことを決めなさい、と。

もうひとつは、経営理論の大家であるピーター・ドラッカーの言葉です。何かを始めたければ、何かをやめなさい。スティーブ・ジョブズも同じことを言っていました。大事なのはノーと言うことだと。

では、私自身がどこでこれを実感したのか。前職でマーケティングをやっていた頃、マネージャーになると、いろいろな業務が降りかかってきました。当時の私は、あれもこれもと手を出していたんです。

結果どうなったかというと、パンクしました。何もできなくなって、アウトプットが減って、売上も上がらない。

より多いことは、良いことではない

そこから何かを削る、あるいは人に依頼する、委託するということを覚えて、ようやく成果が戻ってきました。これは経営をしているいまも同じです。あれもこれもと言っていると、何も手つかずのまま動かない。少ないものにフォーカスすると、そこから生まれます。

コピーもまったく同じです。あれもこれも語るより、これだけ、と一点に絞ったほうがちゃんと伝わります。マーケティングでも、セールスコピーでも、経営でも、人生でも同じでした。

最後にひとつ付け加えるなら、80対20の法則、いわゆるパレートの法則も、間違いなくこのLess is moreの話だと思っています。


04. 「考えること」と「悩むこと」の違い

悩むというのは、頭の中で考えることです。考えるというのは、何かに書く、行動する、動くことです。

そして、悩んでいる間は何も変わりません。変化を生むのは、考えることのほうです。

経営をしていて、いろんな方を指導していると、成果が出ない人にはひとつ共通点があります。悩んでいる人がすごく多いんです。ああかな、こうかなと言い続けて、結局何も変わらない。悩んで悩んで、最後まで決められない。そういうケースをたくさん見てきました。

上手い人は紙に書いて考える

マーケティングやセールスコピーでも、まったく同じことが言えます。頭の中だけで考えている人は、いいものを作れません。逆に、うまいものを作る人は書ける人です。手帳でも紙でも何でもいいのですが、書きながら考えている。

いまはAIもあります。でも、AIと話すだけで初心者が売れるプロモーションを作れたケースは、実はほとんど見たことがありません。ここでも同じで、外に出しながら考えているかどうかなんですよ。

私自身は手帳を使っています。紙に書く。これは毎日続けている習慣です。何かに悩んだとき、やることを整理したいとき、必ず書きます。手帳は常に持ち歩いています。

ジャーナリングのすゝめ

こういう習慣をジャーナリングと言います。私が尊敬しているマーケターのリッチ・シェフレンも、ずっとジャーナルを書いていたと話していました。自分の考えていることや思考プロセスを言葉にしていく。この積み重ねが、自分にとっては大きな財産になっています。

ひとつ、具体的な使い方も紹介しておきます。マトリクスです。

タスクや仕事、プロジェクトがたくさんある中で、私はこれを使って取捨選択しています。縦軸にインパクト、つまり売上への効果。横軸に大変さ、かかるリソース。この2軸にすべてをマッピングしていきます。

そうすると、労力が少なくて売上が上がるものが目で見て分かる。そこを選んでからタスクリストを作ります。頭の中で比べるより、書いたほうが圧倒的に簡単です。

あなたは考えていますか。それとも悩んでいますか。

考えている時間と悩んでいる時間、どちらが多いか。ぜひ紙に書いて、考えてみてください。


05. 学習・計測・改善

私の人生を変えてくれたものを一つ挙げるなら、間違いなく学習です。

人生もビジネスも成果も、学ぶことで変わってきました。自分が学べば学ぶほど、成果が良くなる。売上も、集客も良くなる。これは10年間ずっと体験してきたことです。

分かりやすいのは、社会人になって初めてもらったボーナスの使い道です。

何に使ったかというと、グロービスでした。当時の上司に相談したら「グロービスに行けば」と言われて、そのまま行ったんです。クリティカルシンキングの単科コースでした。10万か20万か、金額は忘れてしまいましたが、当時の自分にとってはかなりの額です。

専門分野に関係ない学び。これが効いた。

一見、マーケティングともセールスコピーとも関係ない講座です。でも、これが効きました。

当時の私にとって、ロジックの流れというものが意外なほど大事だったんですよ。そこを学んだことで、いいプロモーションが作れるようになった。売上が伸びて、成果が出て、社内の成績も良くなって、収入も上がりました。

もちろん、マーケティング自体も自分で勉強し続けてきました。その積み重ねが、いまいろんな会社さんの成果につながっています。

ただ、講座で学ぶことだけが学習ではありません。

ビジネスにおける学習には、計測することが含まれます。実践して、数字を測って、そこから改善していく。この流れ全部が学習です。

コンサルティングに入って、いちばん驚かれて、いちばん喜ばれるのが、実はこの計測からの改善です

逆に私がいちばん驚くのは、ほとんどの方がプロモーションをやりっぱなしにしていることです。計測をしない。数字を残していない。レポートもない。こういうケースが本当に多い。

計測が大事だ、改善が大事だと誰もが分かっているのに、記録が残っていないんです。会社単位でも残っていない。

だから、そのやり方をお伝えするだけで、その会社に知見が溜まり始めます。溜まってくると、キャンペーンのアイデアも出やすくなる。こういう変化を何度も見てきました。

学習の目的は「変わること」

最後にお伝えしたいのは、学習の目的は変わることだということです。

生活習慣、仕事の仕方、発言、使う言葉。ネットやSNSで調べるのも大事なのですが、それだけだと何も変わっていない人が本当に多い。だからこそ、自分でちゃんと投資をして、その場に行く。体験して学ぶ。そちらに寄せたほうが、学習として機能すると思います。

学んで、変わる。それができれば、成果は後からついてきます。

06. 変化に対応できるものが生き残る

強いものが生き残るのではありません。変化に対応できたものが生き残ります。

これはブランドマネージャーをやっていた頃から、ずっと感じてきたことです。

歴史を見れば明らかだと思います。たとえばブロックバスター。TSUTAYAのようなDVDレンタルの会社です。でも、いまDVDを借りて観る人はほとんどいません。ネットでストリーミングを観る時代になりました。Netflixによってブロックバスターがなくなったというのは、有名な話です。

私の経験

自分の経験でも同じことがありました。コロナのときです。それまでリアルでやっていた集客をそのまま続けるのではなく、ネットでの集客に舵を切りました。結果、そちらのほうが売れるようになったんです。

これをマーケティングに引き寄せると、こういうことです。時代が変われば、人が求めるものも変わります。その変化に気づいて対応できるかどうか。ここにかかっています。

多くの人の「売れる」と「売れない」のギャップ

実はここに隠れていると思っています。

ほとんどの方には、こういう商品を売りたい、こういうことを広めたい、自分のこの想いを伝えたい、というものがあります。それ自体はまったく悪いことではありません。

ただ、人が求めているものは常に変わっています。だから、自分が売りたいもの・伝えたいことと、お客さんが求めているものの間には、現実的にズレが生まれます。

そのズレに気づけるか。気づいたときに、自分のほうを変えられるか。

対応できる人、対応できる会社が、生き残っていくんだと思っています。


07. 脳筋最強 〜質は数から生まれる〜

インパクトの強い言い方かもしれません。でも、ある意味これは事実だと思っています。

これまでいろんな会社を見てきました。そして、こちらの写真にあるような、世界的なコンサルタントや実業家の方たちと仕事をしてきました(ただ写真を撮ったのではなく、彼らのコンテンツを販売させてもらったり、現地に行ってレクチャーを受けたり、一緒にも講演させていただきました*なお左下のダンケネディ氏とは講演していませんが、他の方とは同じ壇上に立ち、講演させていただきました)。

自分がマネージャーとして担当した事業が伸びていくのも見てきましたし、コンサルタントとして人のビジネスを伸ばすことにも関わってきました。

そこで出た結論はシンプルです。

うまくいっている人は、試行錯誤と実践の回数が圧倒的に多い。

この時代でも、ひとつのプロモーションで5億、10億を超える人がいます。その人がどれくらい動いているかというと、本当に、めちゃくちゃ動きます。プロモーションの最中にも変更と改善を何度も入れる。登壇する回数も圧倒的に多い。途中で喉を潰していたこともありました。

そこまでやるんです。回数もそうですし、その密度も濃い。

逆に、うまくいっていない人は、単純に試行錯誤の量が少ないです。

ここでよく誤解されるのですが、最初から質の高い実践ができる人はいません。たくさん実践して、その中から質の高い場所を見つける。作業としてはこちらです。見つけてから深掘りして良くしていく。順番はそうなっています。

私がプレイングマネージャーだった頃、月商で1億という時期がありました。そのときの感覚を持って外を見てみると、驚くことがあります。プロモーションの回数、販売の回数が、普通は圧倒的に少ないんですよ。

深く考えない方がうまくいく

売上が上がりません、という相談を受けます。でも実践している回数を聞くと、それは上がらないよな、という話がほとんどです。

だから、深く考えすぎずにとにかく実践する。実行する。無駄かもしれないと思っても、とにかくやってみる。

このシンプルな答え、いまの言葉で言えば「脳筋」みたいなやり方のほうが、実はうまくいきやすいんじゃないかと思っています。

私自身も、試行錯誤の回数は人よりかなり多いですし、書いてきたレポートの数も人より多いと思っています。


08. 強制力(締切)を作るスキルがアウトプットを増やす

人間には強制力が必要だと思っています。

「やりたい」よりも「やらなきゃいけない」。この状況をいかに作れるかが、実は成功にとってすごく重要な要素です。

私の中で成功とは、アウトプットを増やすこと、実践と行動の量を増やすことです。そのために何が要るかというと、締切と強制力なんですよ。

サラリーマン時代のことを思い出すと、分かりやすいと思います。納期がある。これをやらなければいけない。そうなると、私も含めてほとんどの人は、期日までに間に合わせようとして必死に仕事をします。これはいまも同じです。

締切があるほうが成果物は増える。ここに異論を持つ人は、あまりいないんじゃないでしょうか。

問題は、自分のビジネスになった瞬間です。

コンサルティングや納品の仕事をしている人に特に多いのですが、他人のビジネスは一生懸命やるのに、自分のビジネスの成長にはほとんど手を出していない。そういうケースが本当によくあります。

分かりやすいのは集客です。自分のリストを増やしていない。集客をしていない。これができていない人が非常に多い。

なぜそうなるのか。強制力がないからです。

「成長させたい」と「成長させなきゃいけない」は、まったく違う言葉です。前者では動きません。

逆に言えば、来月の売上がゼロになると分かっていれば、人は何とかします。それも一種の強制力であり、締切です。

だから私は、強制力を作るスキルは持っておいたほうがいいと思っています。

私の場合は、アシスタントやチームに対して「この日までにやる」「この日にこのプロモーションを出す」と先に告知してしまいます。人に言ってしまえば、そこが締切になる。自分ひとりで持っていると、締切はいくらでも動いてしまうんですよ。

ここは、自分でビジネスを始めるときの最初の障害でもあります。

サラリーマンをしていれば、なんだかんだ生きていけます。ということは、起業したい、副業したいと思っていても、やらなくても困らないわけです。強制力がない。そして人間は怠惰なので、放っておくとやらない方向に流れていきます。

習慣の話でもあります。人は習慣の生き物なので、いまの習慣の外にある行動、つまり「普通の仕事に加えて何か新しいことをやる」は、ほとんどの場合やらなくなります。だからこそ、いかに強制力を作るかという観点が要るんです。

漫画家の手塚治虫さんは、作品数の多さで知られています。彼の人生を読んでいくと、ずっと締切に追われています。それが幸せだったかどうかは分かりませんが、少なくとも、あれだけの作品が生まれた背景には締切の力があったのは間違いないと思います。常人には信じられない基準ですが、あの多作は締切と強制力なしには成立していません。

やらなきゃいけない。選択肢が限られている。

一般的には、選択肢は多いほうがいいと思われがちです。でも、あえて選択肢を削って「やらなきゃいけない」状況を作ったほうが、実はうまくいきやすい。日本の有名な発明の多くも、選択肢が少ない状況で工夫を重ねて生まれてきました。

締切を作るスキルは、アウトプットの量を決めます。ここが伝わると嬉しいです。


09. 環境と役割が人を作る

人の役職や役割が、その人を作る。

これは私が尊敬している経営者の方から言われた言葉で、いまでも心に残っています。

それまでの私は、人が成長するかどうかはその人自身の問題だと思っていました。どれだけ学ぶか、どれだけ勉強するか。本人の中で完結するものだと。

だから「役割や役職がその人を作る」と言われたときは、ハッとさせられました。

ここに環境も加えて、私はこう言い換えています。環境と役割が、人を作る。人を成長させる。

自分自身を振り返っても、成長できた理由はここにありました。

たとえばマーケティングとセールスコピー。ただ学んでいた時期より、実践できて、数字が見える環境にいたときのほうが、圧倒的に伸びました。スキルが身についたのは、学んだからというより、その環境にいたからです。

環境には、誰と一緒に仕事をしているかも含まれます。

私の場合、本当に優秀な方々と仕事をさせていただく機会に恵まれました。その人たちの考え方、物の見方、思考のプロセスを間近で見られる。しかも、その思考からフィードバックをもらえる。これは大きかったです。マーケティングのスキルも、そこで磨かれました。

そして役職です。

マネージャーとして事業全体を見る仕事は、最初はまったくできませんでした。でも、その役職に就いてから、全体的な数字の感覚が身についていったんです。

こういうものは、本を読んで学ぶ類のものではないと思っています。その環境と役割の中にいると、自然に身につく。考え方として定着して、意識しなくても出てくるようになる。実行できるようになる。

だから、何かを学ぼうとするときは、学ぶ内容そのものより環境に目を向けたほうがいいと思っています。

どうすればその環境を作れるのか。いい環境に入るにはどうすればいいのか。そもそも、自分にとってのいい環境はどこなのか。ここを考えたほうが、成長は速いです。

何事も

私はいま、バンドでベースをやっています。これも同じ構造なんですよ。

月に1回は練習しなければいけない。バンドとしてライブという目標がある。その環境があるから、ベースに触れ続けられる。これもある意味、強制力です。そのうえで、素晴らしいミュージシャンから毎月教えてもらえる環境がある。だから伸びるんです。

環境と役割が人を作り、人を成長させる。

もし人を雇っているのであれば、その人にきちんと役職を与えることは本当に大事だと思います。役割が、人を引き上げてくれるので。


10. AIは増幅器(マルチプライヤー)であり、ツールである

いろんな方を指導する中で、AIを使って成果を出してきた人たちをたくさん見てきました。

たとえばライターの方で、毎月3万円から5万円の売上をAIで作っている方もいらっしゃいます。

こういう話を聞くと、AIがあれば何でもできそうだと思うかもしれません。でも、そこには語弊があります。そこについて話しておきたいと思います。

AIは、その人の能力を掛け算で増やしていくものです。

分かりやすい例を挙げます。ランディングページを1枚作る、という作業で考えてみましょう。

これまでだったら、かなり時間がかかっていました。1日から2日というところだと思います。これでも早いほうです。

それが、AIによっていまは1時間程度で終わっています。

3日かかっていたものが、1時間か2時間で終わる。時間の効率で言えば、10倍以上のことが起きているわけです。実際、私の成果もAIが入ったことで10倍以上になっていると思いますし、体感としてはもっと大きいです。

ゼロはゼロ

ただし、ここが重要なのですが、何も能力がなければゼロはゼロなんですよ。

いまAIでいろんなことができます。でもそれは、その人の能力値──スキルや知識や経験──が、AIを通して掛け算で増えているということです。だから、その能力自体は磨いていく必要がある。人間側で作っていく必要があります。

何の知見もない場所で成果を出すのは、やはりかなり難しいと思っています。

だからAI任せではなく、with AI。AIと一緒に成長していくという考え方が大事です。

30~40万円の仕事をAIで。

私のホームページもブログも、AIで作りました。ホームページを業者さんに頼めば、普通に30〜40万円かかります。LPでも7〜8万円くらいはかかる。それがAIでできてしまうと、AIに対してやっていた投資が何十倍にもなって返ってきているわけです。

売上も同じです。いまはかなりの部分を自動化していて、SNSはずっとほったらかしですし、プロモーションもあと1〜2ヶ月で自動化できると思っています。それくらいのものになっています。

だからAIは、置いておくだけでは絶対に何も生んでくれません。

でも、ツールとして使う側の人間が工夫をすることで、どう使うかによって、成果は何倍にも、何十倍にも、何百倍にも膨れ上がります。まさに増幅器です。

ポイントはひとつです。AIの価値を最大限に引き出すには、人間側の能力を、使い手の能力を上げていくことが必須だということです。

*以降は執筆中


ここまで読んでくださった方へ

長い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。冒頭にも書きましたが、この記事は「西埜ってどんな人なんだろう」と思ってくださった方に向けて書いたものです。少しでも人となりが伝わっていれば嬉しいです。

ここに書いてきた考え方を、実際に手を動かせる形にまとめたものが2つあります。もし興味を持っていただけたなら、覗いてみてください。

無料のウェビナー
AIを売上や集客につなげる方法を、事例とデモを交えて約60分でお話ししています。参加は無料です。
https://kousukenishino.com/webinar

電子書籍
『AIライティングの教科書』——書くのが苦手なままでも、AIで「売れる文章」を作る方法です。
https://kousukenishino.com/products/ai-writing-textbook
『AI化の教科書』——小さな会社が、どの業務から、どの順番でAIに手をつけるかだけを扱いました。
https://kousukenishino.com/products/ai-textbook

経歴や実績をまとめたページもあります。
https://kousukenishino.com/about

西埜巧祐

西埜巧祐

マーケティングコンサルタント/セールスコピーライター

西埜巧祐(にしのこうすけ、埼玉県出身、法政大学理工学部卒)は、日本のダイレクトレスポンスマーケティング/セールスコピーライティング/AIを活用したマーケティング・セールス・ビジネス成長の専門家。株式会社Earnestness 代表取締役。セールスライターとして約10年にわたって活動し、1,000人以上に指導。Dan Kennedy 著『売るプレゼン』監訳。著書に『AIライティングの教科書』『AI化の教科書』がある。

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