From:西埜巧祐(にしのこうすけ)
@東京のスタバより..
「実は、お客さんで、嫌いな人がいるんです」
コンサルティングをしていた時、こんな相談を受けました。その方は、私と同じコンサル業をしていました。正確には、B2B向けのサービスなのですが、高い単価を扱うため、顧客と会う・接する機会が多い人でした。社員もいる方なので、普段は、周りを引っ張る方です。周りをリードする存在なので、相談できる相手がいませんでした。
売上が伸び悩んでいるな…と思って、いろいろヒアリングをしていた時のことです。もっとビジネスを伸ばすポテンシャルはある。なのに、なんで伸びないのか?そう聞いていたら、顧客を開拓する心理的なブロックがあったのです。そのブロックの原因が、「顧客の質」だったんです。
「今、すごい嫌いなお客さんがいる。もし顧客開拓をしたとして、嫌いなお客さんが増えたら、どうしよう😱」という葛藤が、クライアントにあったのです。
顧客の質は、売上の質と額を決める
多くの人は、顧客の数が売上を決めると思っています。ですが、そんなことはありません。一番大事なのは、顧客の質です。特に私たち中小企業・個人事業では、顧客の数を増やして、売上を伸ばすモデルは、破綻していると言えます。理由は、顧客の数を増やすための広告費です。今、トレンド的には、広告費が上がっています。このトレンドは止まりません。
そうなると、体力がある大企業が強くなってきます。私たちは、顧客の質を意識して、高い単価で売る方にシフトしないと、どんどん厳しくなります。
こちらとしては、顧客の質を意識することが必要です。では、そのために、何をすればいいのでしょうか?
「顧客化禁止ルールをもつこと」
こういうお客さんは、顧客にしない。仕事をしない。そういうルールを持つことです。上述したようなケースで、よく陥っているパターンは2つです。
1つは、とにかく売上を伸ばそうとして、顧客の質を意識せずに、受け入れてしまったパターン。もう1つは、嫌いなお客さんのイメージは持っているけど、それを防ぐ具体的な行動や取り組みができていないパターンです。
ビジネスで怖いのは、普段やっている行動が、習慣になることです。今回のクライアントは、まさにそのケース。嫌なお客さんが増えていく習慣が、ビジネスにできてしまっているのです。こういう時に、コンサルティングなどを通して、変えていく必要があります。
今回のセッションでは、「顧客化禁止ルール」を作りました。こういうお客さんは、絶対に顧客にしないこと・仕事をしないこと・契約しない。そういうことを決めたのです。クライアントが、どういうルールを決めたか?これについては、守秘義務があるので、ここで公開できません。ですが、私がこれまで1000人以上の人を指導してきて、「こういう人は危ない」という共通項をシェアしたいと思います。
仕事をしない方がいいお客さんの特徴①
他社・他人の悪口を言う人
次の矛先は、あなたです。「あの人は、〜〜〜で、、、」というような口癖がある人です。特に、「喧嘩別れした」なんていうのは、最悪です。ただ、例外もあります。「成果を出すための、メソッドが合っていない」というケースです。何を攻撃しているかによるのですが、少なくとも「相手の性格・人格」について、愚痴や不満を話す人は、要注意です。私の場合、そういう性格が見えた場合、仕事をすることはお断りします。
例えばですが「一生懸命、その会社の商品やサービスを利用してきた。だけど、成果が出なかった」というケースなら、受け入れても大丈夫です。その提供している人の性格や人格を攻撃しているなら、絶対にやめた方がいいです。次の矛先は、あなたになります…
仕事をしない方がいいお客さんの特徴 ②
約束・時間を守らない人
約束・時間が守れないなら、成果を出すことは不可能です。例えば、ダイエットをしたい。そのためにはジムに通う必要がある。他のお客さんとの時間もある。そこで遅刻してくるとか、論外です。お客さんにも都合や予定がある。それに対して、こちらも都合と予定がある。成果を出すためには、お互いが高いコミットメントを持って、尊重し合わなければいけません。
約束・時間が守れないなら、成果を出すことは不可能です。お互いが交わした約束・時間を守れない人は、要注意です。個人的には、仕事をしない・商品を売らないことをお勧めしたいです。
仕事をしない方がいいお客さんの特徴 ③
立場関係を、勘違いする人
「お客さんは神様」と勘違いをして、接してくる人がいます。この言葉の所以を調べるとわかりますが、そういう立場関係が原則であるという意味で、生まれたわけじゃありません。少なくとも、ビジネスにおける関係は、「平等」が基本です。どちらかが上、下という話ではないのです。
成果を出すためには、お互いが共通のゴールを設定し、お互いが頑張る関係を作らないといけません。「お金払ったんだから、あとはやっといて」というのは、総じてうまくいきません。立場関係については、話せば自ずと感じることだと思います。もし、そういう関係になりそうなら、いかに取引する金額が高くても、断ることをお勧めします。
(仕事をしない方がいいお客さんの特徴 番外編)
言葉に責任を持てない人
「他人に言っている言葉は、自分も守るべき」と、私は思っています。今、このように「断るべきお客さん」の話をしていますが、自分も「そうならないように」しています。
特にコンサルタントに多いのですが、クライアントに「投資をすべきだ」と言いながら、自分で「投資をしない」という人もいます。他社に推奨している、売上アップの方法を、自分でやらないということです。同じビジネスをしているのに、変だと思いませんか?
私自身は、投資をしようということで、顧客獲得にも投資をするし、ビジネスに関しても投資をします(人に対してもですね)。言葉に責任を持てない人は、行動にも責任が生まれません。そういう人も、気をつけるべきだと、思っています。
全ては成果を出すために
全ては良好な関係を作るために
全ては気持ちよくビジネスするために
細々とよく並べられるな…って思うかもしれません^^; ですが、顧客の質を意識することは、一番大事だと思っています。質を良くするための最初の一歩は、嫌いなお客さん・仕事をしないお客さんを明確にすることです。これらのことは、何のために決めるのか?それは「お客さんに成果を出してもらうため」です。仕事をするということは、成果を出してもらうことですよね。
そのためには、お客さんにもコミットメントが必要です。成果を出すことができれば、関係も良好になります。それは結果として、ビジネスも楽しい・やりがいのあるものになります。昔、有名なマーケターに言われてハッとしたことがあります。
「ビジネスをするということは、結婚生活よりも長い時がある。こう考えると、ビジネスをすることは、誰かと結婚することと、ほぼ同じ意味合いがあると、私は思っている。ビジネスは、お客さんがいてこそのもの。じゃ、そのお客さんを誰にするかは、結婚相手を決めるようなものだ」
お客さんを選ぶことは、生涯の伴侶を決めるくらい、重要なものだということです。であれば、そこにこだわること・考えて、行動に移すことは、重要じゃないでしょうか。私のクライアントが、この顧客化禁止ルールを取り入れて、今後どうなるかは、楽しみです。今までの経験上、顧客のことを考えて、失敗したケースはありません。成果については、また報告させてもらおうと思います。
今回を機会に、あなたもこの顧客化禁止ルールを、考えてみてください。良い気づきがあるかもしれません。
ー西埜巧祐
PS
「今の顧客リストにいる、嫌いなお客さんはどうしたら?」ということも、よく聞かれます。答えをいうと、最初のうちは我慢です。受け入れてしまったわけですから、責任は果たしましょう。
ただ、これから受け入れていくお客さんは、質の高いものになるはずです。質の高いお客さんを入れていって、嫌いなお客さんの比率を下げていきましょう。
「嫌いなお客さんを切っても問題ないな」って思ったら、どこかで話すタイミングを作りましょう。そこで経緯を話してください。間違っても、いきなり切るとかはダメです。
「お互いが良い関係を作って、良い成果を出すために、私たちはこう考えています」という話をするのです。経緯を話すことで、相手が理解してくれるケースもありますから。