マーケティングを始めると、「CPAが」「LTVが」「リストが」「オファーが」と、専門用語が飛び交います。この記事は、初心者が最初に覚えておけば会話についていける用語を、広告の数字・集客の考え方・Webのページの3つに分けてまとめた用語集です。それぞれ、意味と計算のしかた、現場でどう使われるかまで書きます。
厄介なのは、同じ用語でも会社によって定義が微妙に違うことです。使っている本人も、意味をはっきり分からずに使っていることがよくあります。分からない言葉が出てきたら、焦らず「ここでは何を指していますか?」と聞けば大丈夫です。わからないことは罪じゃありません。
まず一覧で:この記事で扱う用語
分類 | 用語 | ひとことで |
|---|---|---|
広告の数字 | CPA | 1人を獲得するのにかかった広告費 |
広告の数字 | CPO | 1件の注文を得るのにかかった広告費 |
広告の数字 | インプレッション | 広告が表示された回数 |
広告の数字 | リーチ | 広告が届いた人数 |
広告の数字 | CV・CVR | ゴールが達成された数と、その割合 |
広告の数字 | 申し込み | CVのうち、買う・参加するなど売上に近い行動 |
広告の数字 | LTV | 1人のお客さんが生涯で使ってくれる金額 |
集客の考え方 | リスト | こちらから連絡できる人の一覧(メルマガ・LINEなど) |
集客の考え方 | 教育 | リストとの関係を深めること |
集客の考え方 | メールマガジン | 関係を深めるための発信(売り込みメールとは別物) |
集客の考え方 | アイディア | お客さんの注意を引く切り口(件名・見出し) |
集客の考え方 | オファー | 価格・保証・特典などの取引の条件 |
Webのページ | セールスレター | 売るための文章 |
Webのページ | LP(ランディングページ) | 売るための縦長のページ |
Webのページ | オプトインページ | メールアドレスを登録してもらうページ |
Webのページ | サンキューページ | 申し込み・購入のあとに出すページ |
Webのページ | アップセルページ | 購入直後に、次の商品を案内するページ |
広告の数字
CPA(シーピーエー)=顧客獲得単価
Cost Per Acquisition の略で、1人のお客さんを獲得するのに、広告費がいくらかかったかです。
- 計算: 広告費 ÷ 獲得した人数
- 例: 広告費10万円で20人が申し込んだら、10万円 ÷ 20人 = 5,000円
現場で、いちばん意識される数字の一つです。広告を見る側・運用する側は、いつ聞かれても答えられるようにしておきます。
CPO(シーピーオー)=注文獲得単価
Cost Per Order の略で、1件の注文(購入)を得るのにかかった広告費です。
- 計算: 広告費 ÷ 注文件数
- 例: 広告費10万円で注文が10件なら、10万円 ÷ 10件 = 1万円
CPAとの違いは、CPAが「見込み客(登録や申し込み)」の単価で、売上が発生していないこともあるのに対して、CPOは「お金を払ってくれた人」の単価だということです。現場では、セミナーの申し込みや、その先の本命の商品の販売の数字をもとにCPOを計算します。CPAと同じくらい大事です。
インプレッション=表示回数
広告が誰かの画面に表示された回数です。見られたかどうかは関係なく、画面に出れば1回と数えます。1人に5回表示されたら5です。
認知を広げたいときには大事ですが、売上を目的にした広告では、この数字自体を改善しにいくことはあまりありません。
リーチ=届いた人数
広告が届いた人数です。1人につき1と数えます。1,000人に表示されて、中に3回見た人がいても、リーチは1,000人です。
使われるとしても、「インプレッションもリーチも伸びていないから、この広告は止めよう」という判断くらいです。広告の良し悪しを決めるのは、ほとんどがCPAとCPOです。
CV(コンバージョン)とCVR
CVは、広告やページのゴールが達成されたことです。商品が買われた、無料体験に申し込まれた、メルマガやLINEに登録された、などがCVにあたります。
CVR(コンバージョン率)は、ページに来た人のうちCVした人の割合です。
- 計算: CV数 ÷ ページに来た人数
- 例: 100人がLPに来て5人が登録したら、CVRは5%
何をCVにするかは、案件や会社によって違います。まず「ここでのゴールは何か」を確かめることが大事です。LPを改善するときは、このCVRを比べながら進めます。
申し込み
CVのうち、買う・参加するなど、売上に近い行動のことです。メルマガ登録はCVですが、申し込みではありません。講座への申し込みは、CVでもあり申し込みでもあります。CVの「中身」を見て、申し込みが何件あったかを分けて把握します。
LTV(エルティーブイ)=顧客生涯価値
Lifetime Value の略で、1人のお客さんが、生涯であなたのサービスにいくら使ってくれるかです。
- 例: 初回購入10,000円+翌月から月5,000円の定期コースを6か月 → 10,000円+30,000円=40,000円
LTVが高ければ、最初のCPAが1万円かかっても、結果的に利益が出ます。今は個人でも広告を出せるので競争が激しく、CPAは上がりがちです。CPAを下げるのには限界があるので、LTVをどう伸ばすかが、いま最も大事なテーマだと私は思っています。
数字は流れで見る
広告の数字は、単語ごとに見ると分かりにくいですが、流れでつなぐとシンプルです。
- 何人に届いたか(リーチ)
- 何回表示されたか(インプレッション)
- 何人が行動したか(CV・CVR)
- 何人が申し込み、いくら売上が出たか(申し込み・CPO)
- それをいくらで集めたか(CPA)
- その人たちは将来いくら使ってくれるか(LTV)
こうつなげると、広告の「どこが弱いか」が見えます。
広告を担当しているなら、CPA(と広告費)、CPO、CV数とCVRの3つは必ず答えられるようにしておきましょう。「昨日の広告の成果は?」「先週は?」「今月は?」と聞かれて、この3つを答えられれば十分なレベルです。原因と改善策まで言えれば満点です。
集客の考え方
リスト
こちらから連絡や商品の案内ができる人の一覧です。具体的にはメルマガのリスト、LINEのリストなどです。
リストがなければ、新しい商品を作っても知らせる相手がいません。リストがあるかどうか、質が高いかどうかで、売上は大きく変わります。
教育
リストは多いほど良いのが基本ですが、質も大事です。ここでいう質は、相手との関係の深さです。関係を深めて、リストの質を上げることを「教育」と言います。
私の経験では、200人ほどの小さなリストから、600万円ほどの売上になったことがあります。人数が少なくても、関係が深ければ売上は大きくなるんです。
メールマガジン
リストとの関係を深める(教育する)ために出すのが、メールマガジンです。
注意してほしいのは、メルマガと売り込みメールは別物だということです。商品の告知を出すことを、メルマガを出すとは言いません。売り込みばかりされると、相手は良い気がしませんよね。メルマガを読んだ人の理想の反応は、「この人の次の発信も見たいな」と思ってもらうことです。
アイディア(ビッグアイディア)
マーケティングやセールスコピーでいうアイディアは、お客さんの注意を引く切り口のことです。メールなら件名、セールスレターなら見出し(ヘッドライン)にあたります。
どんなに良い商品でも、まず振り向いてもらわなければ始まりません。その「振り向かせる」のがアイディアです。古典的なセールスコピーでは「ビッグアイディア」とも言います。
オファー
取引の条件のことです。主に「価格」「保証」「特典」の3つを指し、期限や支払い方も含めて考えます。オファーと言われたら、この条件の話をしていると思ってください。詳しくは「オファーとは?」にまとめています。
リスト>オファー>コピー
プロモーションの成功に効く順番を表した原則です。
- どんなに素晴らしいコピーを書いても、オファーとリストが悪ければ成功しません
- 下手なコピーでも、オファーとリストが良ければ売れてしまいます
私もプロモーションのレビューをするときは、必ずこの3つを見ます。
Webのページ
セールスレター
売るための文章です。この業界では、文章のことを「コピー」と言います(コピー機のことではありません)。郵便ポストに届く企業のダイレクトメールが、セールスレターの一例です。
LP(ランディングページ)
セールスレターをWebでやるために生まれた、売るための縦長のページです。ネットで見て回っている人が「着地(ランディング)」するページ、という意味から来ています。
会社のホームページとの違いは役割です。ホームページは会社を説明する「受付」、LPは商品を売る「営業担当」です。受付が10人いても売上にはなりませんが、営業が10人いれば売上は伸びますよね。
オプトインページ
メールアドレスを登録してもらうページです。普段は「LP」とひとまとめに呼ばれることも多いです。
メールアドレスを登録してもらうのは、その商品や情報に興味があるかどうかを分けるためです。興味がある人に、その先の案内をしていく。登録してもらうのには、ちゃんと理由があるんです。
サンキューページ
申し込みや購入、登録のあとに表示するページです。「ご購入ありがとうございました。手続きは完了しています」と伝えます。購入したあと、いきなり真っ白なページになったら「ちゃんと買えたの?エラー?」と不安になりますよね。システムが自動で出すこともありますが、自分で用意しないといけないことのほうが多いです。
アップセルページ
サンキューページの代わりに出す、購入した直後に次の商品を案内するページです。「この商品を買ったあなたに、特別なご案内があります」と続けます。
お店で「ついで買い」や「ひとつ上のコースに変えた」経験はありませんか?買った直後は、次の商品を検討しやすいタイミングです。Webでは、それが購入した直後のページになります。
言葉を知ることは、相手を知ること
用語を覚えるのは、会議で恥をかかないためだけではありません。相手が「アイディアが…」と言ったとき、それがどういう意味で、どんな背景で使われているのかを汲み取れるかどうか。そこで、話の進み方がまったく変わります。
まずはこの一覧の用語から、自分の仕事で使う場面を思い浮かべながら覚えてみてください。
ー西埜巧祐