AIに頼りすぎると会社は滅びる?|AIの2026年問題「3つの限界」について

AIに頼りすぎると会社は滅びる?|AIの2026年問題「3つの限界」について

評価額2,250億円のAI企業Jasperが、自社のAIで売上を3分の1まで落としました。なぜそうなったのか。AIコンサルタントの西埜が、AIに任せてはいけない3つの仕事を、2026年問題(データの壁)の観点から解説します。

Jasperの衰退...

めちゃめちゃ衝撃を受けた話があります。

AIライティング業界のトップだった「Jasper」という会社があるんですが、評価額でいうと約2,250億円と言われていた会社が、自社のAIで自滅してしまったんです。売上は半分、評価額は20%カット、さらに信用も失墜。

これからAIを使う人間同士で、とんでもない差がついていく。今回はそのエピソードを起点にお話ししていきたいと思います。

Jasperってどんな会社かというと、シリコンバレーでAIライティングの先駆け的な存在でした。AIが出た当初を思い出してほしいんですが、あの頃はとにかく使えなかったですよね。ブログとか記事、コピーが出てきても、そのまま使えるものはほぼなかった。その中で、Jasperは比較的いいものが作れるツールだったんですよ。用途も広くて、いろんなコピーや文章が作れた。

AIライティングの先駆けの会社が売上半分以下に

このAIライティングという領域で先駆け的な立ち位置を取って、「もう全部AIで記事が作れる」「AIで全部解決できるんじゃないか」と信じて、自社サイトの記事をAIで大量生成し始めた。すると、トラフィック、つまりJasperが作った記事を読みに来る人やオーガニックの流入が半分以下になってしまったんです。さらに売上は約190億円から約52億円へ、劇的に下がってしまった。

普通の会社だったら、かなりやばい状態です。しかもそれがたった1年の間に起きた。創業者は退任し、新しいCEOが呼ばれるという事態になっています。

AIの技術でいったらお金も潤沢でトップクラス。ドメインの権威もちゃんとあるし、予算も潤沢。それでもAIによってダメになってしまった。

これ、対岸の火事ではないんですよ。「AIってすごいね」「もっとAIに任せた方がいいよね」という話と、まったく別の話なんです。

なぜ今、この話をするのか

AIは今すごい進化をしています。以前の動画や記事でも、GPT Image 2.0の話をさせていただきました。クオリティは確実に現場で使えるレベルになってきていると思います。

ただ、それでも超えられない部分がいくつかある、というのが今回のテーマです。それを「6つの限界」としてお話ししていきます。

今回は1000社以上にマーケティングや実践的なAIを指導してきたものとして、解説をしていきたいと思います。

AIに関していろいろリサーチをしていくと、すごい衝撃を受ける話や面白いデータが出てきます。今回はそれを6つ(記事では3つ)に分けてお届けしていきたいと思います。

この記事でわかること

この記事を最後まで読んでいただくと、

  • AIに任せていい仕事と、絶対に人間がやるべき仕事
  • AIを「使う人」と「使われる人」を分ける、決定的な境界線
  • Jasperのような有名企業が衰退したことについての見解

こういったところがわかります。

今回は最初に3つお話しして、残りの3つを別パートでお話しする形になります。これは有料会員さん向けのトピックコンテンツなんですが、特に最初の3つは非常に重要な話なので、無料の会員の方、メルマガを読んでいる方など、広く見ていただける形にしています。残りの3つは「KingMaker」というオーディオコーチングの会員向けです。興味があればそちらもご入会ください。申し込みはこちらをクリックしてください。

始める前に一つだけ。このチャンネル/ポッドキャストでは、AIとマーケティングの実践的な話をお届けしていきます。初めての方はぜひチャンネル登録、ポッドキャストで聞いている方はフォローをお願いします。これからの更新も見逃さずに済みますので。

それでは解説していきます。

限界① インプットの限界〜もうこれ以上AIは賢くならない〜

最初の限界は「インプットの限界」です。これには2つの意味があって、1つはAI側の問題、もう1つは人間側の問題。両方つながっています。

最近の開発現場で話題になっているのが、「2026年問題」とか「データの壁」と言われるものです。

今のAIは、要するにネット上のほぼすべての文章やコンテンツを学習データとして食わせて、賢くなって、できることが広がってきました。ところが、ネット上の高品質な文章やコンテンツは、もう学習済みなんですよ。

当初を思い出してほしいんですが、ChatGPTが出た当初は、たしか2021年くらいまでのデータしか学習しておらず、最新のネット記事には繋げられないという状態だったと思います。それが一気に広がって、今ではネット上の最新記事も含めて学習できる状態になっている。

ただ、もうそれを食い尽くしてしまった。学習させすぎて、もう学習するものがないという状態になっているんです。最近では、ちゃんと学習させた結果、東大や京大に主席で合格できるレベルにまで到達している、なんて話もありますよね。

人間が作った文章やコンテンツは有限。でも、すでにAIが学習済み。

大事なことは、人間が書いた文章やコンテンツって有限だということです。それをChatGPT、Gemini、Perplexityといった各AIが、すでに食い尽くしてしまっている。

しかもネット上の文章も、かなりの割合がAIの書いた文章になってきている。SEO記事、まとめ記事、ブログ、AIで量産されたコンテンツ、SNSも含めてネットに溢れています。

するとどうなるかというと、AIがAIの書いた文章を学び直すという、謎の状態になりますよね。だから本物のオリジナルな情報がどんどん薄まっていって、AI同士でAI特有の文章を量産していくという状態になっていく。コピーのコピーのコピーをしていくので、どんどん劣化していく。最終的に、逆に劣化するんじゃないかとも言われているくらいなんです。

日本語のデータはもっと少ない

面白いデータで、日本語の方も実は結構深刻みたいです。日本語のデータ量って、英語の10分の1以下と言われているんですね。

なんで10分の1以下なのかというと、これは難しいんですけど、日本語と英語って単語の量が違うんですよ。たとえば「いいね」という言葉に対して、英語だと「good」「great」「excellent」と表す言葉がいっぱいある。情報量も単語のバリエーションも英語の方が多いことから、データ量が多いと言われています。

我々は日本人なので日本語を使うわけですが、日本語でいくと学習するデータ量がそもそも少ない。

大事なポイントは何かというと、要はそのデータを学習させればさせるほどAIは賢くなるんですが、もう学習させるものはない、と。じゃあこれからどうやって進化していくのかというと、ざっくり言えば「量から質」です。OpenAIやClaudeがやっている推論モデルですね。思考の質を上げていく方向にはなっていきます。

人間側の問題:解像度がそのまま結果になる

ただ、それをやっても限界値が来ているわけです。そして、もう1つの限界がここで来るんですよ。それが人間側の問題です。

どういうことかというと、人間がAIに何をインプットさせるのか、どういう方向性で思考させるのか、ここがより重要になってくるということなんです。

ただ、これが難易度高いんですよね。私自身、かなり難しいと感じています。

何が言いたいかというと、たとえばAIに企画を作ってもらうとき、「こういうふうに伝えたいんだけど伝わらない」ということがあるじゃないですか。それと同じことがAIにも起こっていて、渡したい情報はあるんだけど、その情報がちゃんと伝わらない、伝えられない、言語化できないということが起こっているんです。

言語化の難しさ

これまでは、プロンプトを学んでいる方でも完璧に書き切るのって、できないじゃないですか。雑なプロンプトを書いても、AIが大量のデータと、これまでの経験値の中でカバーしてくれることがたくさんあったと思うんです。

でも、これからのAIは「考えるAI」、精密さの勝負になっていきます。だから、こちらが渡す情報の精度、思考の解像度が高ければ高いほど、いいものが出てくる。逆に解像度が低いと、いいものが出なくなる。

我々のインプットの精度が、そのまま答えの精度になってくるということです。

わかりやすい例でいくと、私とうちのスタッフが同じプロンプト、同じAIを使って、同じ仕事をしたとして、結果がすごく分かれるんですよ。

同じプロンプトを使っても成果に差が出る理由

たとえばブログ記事のヘッダー画像を作るとき、クオリティの差が結構分かれます。コピーも、どんなお客さんに、どんな状況で、どんな感情を引き出すのかという前提を、プロンプトで書く前に頭の中で組み立てています。それを指示する。でも、他のスタッフや手伝ってくれている人がやると、まったく違うものが出てくる。ちょっと言い方は悪いですが、「あまり使えないね」というものが出てきたり、「あまり感情が動かないよね」というものになってしまう。

これはAIの問題じゃなくて、人間側の解像度と使い方の問題になってくるんですよ。

要するに、この差が広がっていくということなんです。生産性でいったら10倍、100倍くらい変わってくると思います。

AIが進化の天井にぶつかる中で、AIを使う側の人間の解像度。これが差別化の要素になってくる。「AIを使ってなんでもできるね、こっちで頑張ろう」と言っている人は、まあ平均値になってくる。その平均値が、ちゃんと使っている人たちからすると平均以下に見えてしまう、という差になってくるんじゃないかと思います。

これが1つ目の限界。AIにインプットさせるものがないし、インプットさせるのも難しくなってくる。

「AIを育てる仕事」が出てくる予測

個人的な見解として一つ言っておくと、「AIを育てる仕事」が出るんじゃないかと思っています。

実際、近いことで喜ばれた経験がありまして。私のクライアントさん一人だけなんですが、私がコピーを書いたり、マーケティング上のコンテンツを作るときに使っているスキルファイルがあるんですよね。それをどうしても借りたい、と言ってきた方がいらっしゃったんです。「お金は払うので使わせてください」と。

そのスキルをインプットしたら、やっぱり精度が良くなった。

例えがいいかわかりませんが、子供の学習塾みたいな感じですね。子供の学習塾の代わりに、AIの学習塾、AIを賢くさせる学習塾。ある分野に専門特化した使い方や考え方をAIに学ばせる。そういう職業が出てくるんじゃないかな、と個人的には思っています。

あくまで「そういう可能性がある」という話ですが、これが1つ目の話、インプットの限界です。

限界② 企画・アイデアの限界

2つ目は、誰もが意識しているというか、「そうだろうな」と思っていることだと思います。企画・アイデアの限界です。

最近、AIで広告のアイデアを出させる人、AIに企画を投げる人がとても多いと思います。AIサービスでも、LPを入れたら100個の広告アピールを考えてくれる、みたいなものもありますよね。あれをやるなら、ChatGPTとClaudeにLPを渡して「考えて」と言えば充分かなと、正直思いますけど。

私ももちろん使ったりします。ただ、使ったことがある人ならわかると思うんですけど、そのまま使うのって難しいですよね。

AIが出してくるアイデアって、基本「平均値」なんですよ。

AIが出すアイディアは、面白味のない平均値

もちろんプロンプトで「尖ったものを出して」と言えば出してくれるんですが、なんか尖りすぎているというか。広告で成功するもの、うまくいくものって、僕は基本的に「平均値の外側」だと思っているんですよ。確率論で言っても、だいぶ低いことをやって成功することの方が多いかな、と感じています。

ビジネスもそうじゃないですか。たとえばカーネル・サンダースさん。たしか彼は100軒くらい訪問営業して、ようやく1軒のフランチャイズが取れて、そこからどんどん伸びていった、という逸話が残っています。しかもそれが60代後半に起きていると言われていますよね。1000分の1くらいの世界で成功している。

これって、平均値からすると、おかしな話じゃないですか。

売れるアイディアは平均値の外にある

企画・アイデアの話に戻すと、やっぱり驚かれるものは平均値の外側にある。だから、どう使うべきかというと、選択肢やアイデアの「量を出す」という意味では使えると思っています。たとえば50個出して、片手で数えるくらい、2〜3個が使える。その2〜3個もそのまま使うんじゃなくて、人間側が「これ伸びるんじゃないかな」「こういうふうにやったらもっといいんじゃないかな」と磨きをかけ、改善する。それで初めて当たるものができる。

AIは「量を増やす」のは役立つんですが、「どれを選ぶか」「どう改善するか」は、人間の仕事として残るんじゃないかと思っています。

余談:制作の仕事はAIが食っていく?

ここで個人的な予測を一つ。

AIで企画・アイデアを出すこと、特にプロモーションを作る、キャンペーンを作る、LPを作る。これは正直、もうこれからのスタンダードになります。おそらくこれからの仕事でいうと、「制作」と言われる部分の仕事は、かなりAIが食っていくんじゃないかなと思っています。

ここ最近、自分でやっていて「もう本当になくなるんじゃないかな」と思っていることがいくつかあるので、ちょっと余談として話します。

まず、自分の会社のホームページ。概要欄にもブログ記事のリンクなど載せていると思いますが、ホームページ自体、僕自身が作り直したんですよ。デザイナーでもプログラマーでもないんですけど、いい感じに作り直すことができた。

LPもいつも、去年くらいからお伝えしていますが、できるようになりました。

さらに、こんなことも。

さらに、私のYouTubeのショート動画。これも実はAIで作っています。私のYouTubeリンクをAIに渡すと、自動的に切ってくれて、最大10本、切り取るところがなければ6本くらい、ショート動画ジェネレーターのようなものを作ることができてしまいました。

これってランサーズやクラウドソーシングで発注されそうな仕事じゃないですか。そういう単純な制作。

あと面白かったのが、自社でファネルのシステムを作れちゃったんですよ。70%くらいの完成度ですが、多分使えると思います。これはUTAGEやClickFunnelsのような、有料で2〜3万くらい提供されているサービス。

私の場合だとEasyWebinar、海外でいうとDeadline Funnel。要はメールアドレスで識別して、ウェブセミナーやメールでの「何日まで」というカウントダウンを連動するシステム。

UTAGEはコミュニティもあるので比較対象にするのは難しいんですが、ClickFunnelsとかで「使わないサービスもあるな」というときに、自分にとって必要な機能だけを切り出して作れちゃう。すごくいいものを作れちゃう。

何が言いたいかというと、だいたいの「制作」と呼ばれるものは、ほぼ今できる時代だということです。画像も今はできる時代。今後動画ももっとできることが広がってくると思いますし、3D動画も作れる時代になってくると思います。

でも、企画・アイデアは別

ただ、ここからが企画とアイデアの話。

これから先、企画やアイデアも大事になりますと。「でもAIで企画やアイデアもできるじゃん」という人もいらっしゃると思うんですよ。これは現場でも同意見の部分があるんです。

ただ、AIに任せっきりでいい企画ができるかというと、そうじゃない、というのが私のスタンスです。

何度も言うように、AIは平均値を確実に作ってくれます。でも、これからAIでプロモーションを作る人、マーケティングをやっていく人がどんどん増えてくると、平均値に溢れたプロモーションが量産されていきます。そうなると、お客さん側で「買う」という選択がされなくなる時代になっていく。

数を量産した会社は衰退した

これは昔のSEOの話と重ねるとイメージがつきやすいと思います。ライターをたくさん雇って、たくさん記事を書いて量産して、検索順位を上げてトラフィックを増やしていく、という取り組みがあった。でもGoogleがアルゴリズムを変えたせいで、それがダメになりました。

プロモーションも同じで、AIを使ってたくさんのプロモーションができました。でも売れません。なぜかというと、似たようなプロモーションが同じ業界の中でどんどん広がっていくからです。

そこでちゃんとスキルがある人たちが、企画に磨きをかけ、アイデアに磨きをかけ、改善をしていくことで、一部の人たちが売上を伸ばしていく構造になっていくんじゃないかと思います。

AIプロモーションの限界

私もプロモーションをAIで作ったりしますが、昔作ってきた大ヒットするようなプロモーションのアイデアには、正直AIは一度もたどり着いていないんですよ。

軽いプロモーションをする、軽い売上を作るならいいんですが、会社を支えるくらいの売上をAIで作るのは、ちょっと難しいかなという印象があります。

というわけで、2つ目の限界は企画・アイデアの限界。要は、AIは平均値しか出さない。でも大ヒットは平均値の外で起こる、ということですね。

余談が長くなってしまって申し訳ないですが、そういう形になります。

限界③ 責任と意思決定

3つ目に入る前に、ここまでの話を聞いて続きも聞きたいと思っていただけた方は、チャンネル登録やフォローをぜひしていただけると嬉しいです。

それでは3つ目の限界です。

3つ目は何かというと、責任と意思決定です。

決断と責任に関しては、もうAIじゃ無理ですよね。

Claudeを使っていると、「A・B・C、どれがいいですか?」と提案してくれます。でも、結局どれにするかという決断はAIにはできないし、その選択肢の外の観点も必要になってくるんじゃないかと思っています。

AIはサポートしてくれるけど、結局自分

ビジネスをやっていると、たとえば「この商品をいくらで売るか」「この事業を続けるか撤退するか」「このメンバーと続けるか別れるか」みたいな判断ってありますよね。AIに丸投げではできないじゃないですか。決断のサポートはしてくれますけど、簡単にはできないし、責任を取るのは結局自分です。

そういう意味では、AIは「参謀」かなという感じですね。最後の「エイヤ」の部分は、人間がやる。

私自身の意思決定の例:AI実践会の価格決め

私も個人的に大きな決断を一つしたものでいくと、「AI実践会の価格決め」があります。

ここはすごく大きく悩んで、AIは違う価格帯を提案してきて、私は今の価格帯を進めるという意思決定をしました。

もう少しわかりやすく話すと、AI実践会というサービスは、この収録時点で年間9,800円(記事執筆時点)なんです。でもAIは、AIを実践的に学ぶ講座の販売価格として「30万円か50万円くらいが妥当」と言ってきた。

AIの提案

「西埜さんのマーケティング・セールスの知見をAIで再現できる、AIを通してそれを実践的に使う方法が学べる講座は、高値で売るべきです」と。

実際にAIで市場調査をすると、だいたい高いんですよ。500,000円くらいします。私のクライアントさんでもそういう方はいらっしゃった。

それは確かに理にかなっています。50万円の商品を1本作って、3〜4件売れたら、売上としてはかなり大きい。AIだし、伸びしろもある。

じゃあなんで年間9,800円(記事執筆時点)にしたのか。

なぜ安くしたのか?

簡単に言うと、今回みたいな話で、正直AIにそんなに価値はないと思ったんです。

たとえば去年の段階で50万円の講座をAIで作りました、となった場合。使えなくなるんですよね。少なくとも去年12月に作って、今年4月や5月になった時点で、内容がすごく古くて使う人が減ってしまう。

実際、Sora 2ってあったじゃないですか。海外のものだとSora 2を使ってリードを獲得する方法、集客する方法という講座もあった。Sora 2で動画を生成して、SNSのプラットフォームみたいになっていって、そこからリードを獲得する。でも今は使えない、というか撤退になっていくわけで、どの道閉じる。

その中にもStable DiffusionやMidjourneyを使って画像を作る方法というのもありますが、正直今はGPT Image 1でサクッとやれば、いい画像を作れちゃう。

50万円払ってもらったものが半年後に使えなくなったら、、?

ポイントは、お客さんに50万円の商品を買ってもらって、半年後に使えなくなるってどうなんだ、という話です。

そこは僕としては、本質的な価値がないものだと考えているんです。

AI実践会のインプットも難しいんですよ。AIに自分の知見をインプットさせるのって、お客さんからしたら難しいじゃないですか。

これからAIってみんな使うものだし、AIを学ぶことは、いわばインフラ、携帯電話と同じようなレベルになっていく。そこに50万円の付加価値をつけるのは相当難しい。

LPを作れるようになりましょう、という講座で50万円もありますけど、今LPは50万円かけなくてもそこそこいいものを作れちゃう。そうなったとき、その50万円って申し訳ないなと感じるんですよ。本質的に価値があるかどうか。

最終的な決断

諸々を考えたときに、もうAIを使えるのが前提の時代なので、年間9,800円のサブスクという形にしよう、と。最新情報をアップデートし続けるためにはサブスクの形にしないと追えないじゃないですか。なので、サブスクで年間9,800円というスタンスにしました。

ここでスキル、たとえば企画の作り方を学びたいとなれば、それは10年・20年使えるじゃないですか。そっちは別の価値設定になる。

価値を考えたときの価格の意思決定で、これを間違えて50万円で売って「半年後に使えません」となったら、どうなんだという話になりませんか。僕はなるんですよね。

「商品の価格をいくらにするか、価格を決めることは経営だ」と言われる方もいらっしゃるので、こういう大きな意思決定に関しては、自分で考えて決めました。

意思決定や責任を取ること

AIの提案は「50万円や30万円でもいける」という話でしたが、私自身はこういう形で意思決定した。個人的には、その決断は良かったと思っています。自信を持って進められますし、良かったんじゃないかなと感じています。

ちょっと話が長くなってしまいましたが、やっぱり意思決定や責任を取ること、特に意思決定するというのは、いろんな観点で見る必要があると思うんですよ。だから、視点の角度を共有してもらうのはAIに任せていい。

でも決断を委ねるのはやめましょう。意思決定のスキルを上げていくのは、ぜひ続けていかないといけないんじゃないかと思います。

というわけで、3つ目は意思決定・責任の限界。サポートはできるけど、責任と意思決定はできない、ということですね。

ケーススタディ:Jasperはなぜ1年で売上が3分の1になったのか

ここで、冒頭で触れたJasperの話をもう少し深掘りしていきたいと思います。

なぜジャスパーがこうなってしまったのか。今すぐ壊滅しているわけではないんですが、本来、会社って右肩上がりに成長していくものじゃないですか。それが右肩下がりになってしまっている。これは今お話しした3つの観点で、結構説明がつく部分だと思います。

Jasperは AIライティングのトップ企業で、資金調達もうまくいった会社で、マーケティング予算もかなりありました。それが、自社サイトでAIライティングを始めたら売上が下がっていく、評価額も減る、社長も交代する、という状況になっている。

何がダメだったのか?

Jay Cruiz(ジェイ・クルーズ)さんという、SEOとAIの第一人者と言われている方がいらっしゃいます。「AmpiFire」という会社の共同創業者で、年商数十億円規模と言われていて、たくさんの会社のSEO・オーガニック流入の改善を支援してきた、業界の第一人者です。

彼は「JasperのAI運用には致命的なミスが3つあった」と指摘しています。

ミス①:知見・経験を投入せず、AIをそのまま使った

Jay Cruizは面白い言葉を言っていて、「シェイクスピアと、AIを使う私では出力が異なるんだ」と。

要は、専門知識を注入していない、経験や一次情報がないAIは、誰が使っても同じような記事になる。差別化要素が消えてしまう、と。

これは1つ目の限界で話した、人間側の解像度の問題そのものだと思います。

ミス②:ユーザーの悩みを無視した「コンテンツのためのコンテンツ」

とりあえず量を出す。やっぱり企画の話にすごく近い。

Googleでいくと、Googleは基本的にユーザー目線です。記事の滞在時間や離脱率はずっと見ています。「質が低い」と判断されたら、そのドメイン以前に他の評価まで下がっていく。

これは企画・アイデアの限界、平均値の塊で面白みがないものが出てきているケースですね。

ミス③:カスタマージャーニーの設計の欠如

専門用語でいうと「カスタマージャーニーの設計の欠如」と言われています。

とにかく出す。でも、悩みがあって、その悩みを解決して、次のステップに進んでもらう、というお客さんの成長を考えられていない。

これは3つ目、誰も意思決定していない、誰もそういう観点で考えていない、とにかく出す、ということ。AIに意思決定させてしまっている、丸投げになってしまっていた、ということになります。

私たちが学べること

ここから何を学ぶか。今日話した3つの限界。

1つ目、AIにはもうこれ以上学習させるデータはない。これから人間側のインプット力、使い方が重要になっていく。平均値を超えるためには、ということが必要になってきます。

2つ目、量産すると平均値の塊になって、差別化や面白みがなくなってくる。

3つ目、AIにただ書かせるだけだと、AIに意思決定や責任を委ねてしまっている。誰も責任を取る人がいない、誰も意思決定する人がいない。だからこれをやらないことによって、結局記事自体も評価されなくなり、最終的に流入も減ってくる。

予測的な話でいくと、AIで作る量を増やすほど、ビジネスでの足枷が増えてしまうんじゃないかということです。

逆に言うと、AIをツールとして正しく扱える人、AIに使われない人になることで、まったく真逆の結果になってくる。これってすごく大きな分岐点だと思うんですよね。

「AIで何でもできるから、AIを使ってなんとかしよう」じゃなくて、「AIを使って、どうしたらよりいいものが作れるのか」。ここが分岐になるんじゃないかと思っています。

お知らせ・ご案内

ここでお知らせとして、「AIに任せちゃダメな仕事と、逆にAIに任せていい仕事を、どう任せれば結果に直結するのか」をお伝えするウェブセミナーも開催しております。概要欄/説明欄にリンクが入っていると思いますので、ぜひチェックしてください。

具体的には、AIに任せるべき仕事と人間がやるべき仕事の振り分け方、実際に成果を出した人がどういう使い方をしたのか。こういった点をウェブセミナーで学べます。無料で参加できます。初回も無料ですので、ぜひチェックをしてみてください。

ここから先は、KingMaker会員さん限定パートとなっております。入会用のリンクを載せておくので、興味がある方はぜひ入会していただければと思います。詳細はこちらをクリック

まとめ

というわけで、ここまでが6つの限界のうち、最初の3つ。

限界

何がダメになるのか

インプットの限界

データ枯渇+人間側の解像度不足で、平均的な出力しか出なくなる

企画・アイデアの限界

平均値の塊が量産され、誰の心も動かないコンテンツになる

責任・意思決定の限界

経営判断をAIに委ねた瞬間、責任の所在が消える

そしてケーススタディとしてJasperの例。AIに丸投げしている、AIに全てやらせているわけじゃないと思うんですけど、結果として、右肩上がりの成長を目論んでいたところが、右肩下がりになってしまっている。

我々はどちらかというと、右肩上がりで頑張っていきたいところじゃないですか。そういう意味で、今回お話しした3つは、非常に大事な観点になるんじゃないかと思います。

そして、今日のここまでの話を聞いて役に立ったなと思っていただけたなら、ぜひフォローをお願いします。


FAQ

Q. AIに任せていい仕事は何ですか? A. 量を出す作業(アイデア出しの叩き台、リサーチの一次情報集め、文章の下書き)、定型業務(議事録、要約、翻訳)、制作系(画像、簡易LP、ショート動画)はAIに任せられます。一方で、企画の最終判断、価格などの経営判断、責任を伴う意思決定は人間が行うべきです。

Q. 2026年問題とは何ですか? A. AIの学習データが枯渇し、これ以上の高品質な人間由来データが得られなくなる現象です。さらに、ネット上の文章自体がAI生成のものに置き換わっていくことで、AIがAIの文章を学習する「モデル崩壊」が懸念されています。

Q. 日本企業がAIを活用する上での注意点は? A. 日本語データは英語の10分の1以下しかないため、英語AIと同じ精度を期待するのは危険です。プロンプト精度を高め、自社の専門知識を注入する運用設計が必須になります。

西埜巧祐

西埜巧祐

マーケティングコンサルタント/セールスコピーライター

西埜巧祐(にしのこうすけ、埼玉県出身、法政大学理工学部卒)は、日本のダイレクトレスポンスマーケティング/セールスコピーライティング/AIを活用したマーケティング・セールス・ビジネス成長の専門家。株式会社Earnestness 代表取締役。セールスライターとして約10年にわたって活動し、1,000人以上に指導。Dan Kennedy 著『売るプレゼン』監訳。

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